Home > ED診療のコツ > ED診療のコツ > Dr.インタビュー 第4回

ED診療のコツ

ED診療のコツ 〜Dr.インタビュー〜 第4回

EDアプローチ最前線 心因性EDは、EDに至るプロセスに注目することで解決法が見えてきます。

【専門医の取り組み 第4回】 患者さんの心理にフォーカスしたED診療を行っている病院

心因性EDについてまわる「コミュニケーション」との因果関係。
とくに大きなつながりをもつのがパートナーとのコミュニケーションです。

心因性EDには、不妊治療のタイミング法によるプレッシャーや、パートナーとのコミュニケーション不足、漠然とした不安といった3つの主な発生要因があります。 共通しているのは、まじめで悩みを抱え込みやすい方やコミュニケーションが得意でない方が多いということ。 性交を1回失敗するくらいなら問題はないのですが、それが 「また次も失敗するのでは?」 という予期不安やパートナーへの遠慮につながり、2回目の失敗、自信喪失、また失敗、やがてパートナーとのコミュニケーションに支障…と、負の連鎖が拡大していきます。 このように、本人だけでなくパートナーを絡めながら進行していくことが心因性EDの難点なのです。

しかし、考え方を変えれば、この負の連鎖を断ち切ることで心因性EDは改善できます。負の連鎖が止まり、パートナーとの関係も向上するなど、好循環へと逆転させることもできるのです。わたしの場合はセックス・カウンセリングも取り扱っているため、希望があれば夫婦関係まで踏み込んだヒアリングを行うこともありますが、パートナー同席の場合でも、まず個別にお話を伺います。互いの相手に対する認識の違いがより明確に浮かび上がってくるからです。その食い違いがプロセス発見のカギ。

日常生活では仲がよいのに性交ができないカップルは意外と多く、隠れた気持ちに気づくことで具体的な対処法を考えることができるのです。
たとえば奥様が寒がりで寝巻きにスエットを使用していたことが性欲を減退させ、EDがより進行、夜のコミュニケーションがギクシャク…という夫婦もいらっしゃいました。

こうした場合は、寝巻きを変えるだけでも効果はありますし、さらに、お風呂に一緒に入り互いの体を洗う…といった具体的な行動療法で悪い方へ回っていた循環にストップをかけることができるのです。

岩佐 厚 院長

岩佐クリニック(大阪府大阪市)
岩佐 厚 院長

EDを進行させ「負の連鎖」を断ち切ることは、医師のできること。
その結果、夫婦関係の向上にも貢献できます。

行動で連鎖を断ち切るという意味では、実はED治療薬が手軽で効果のある行動療法と言えます。初めてわたしがED診療にかかわり始めた頃にはED治療薬はまだ日本に存在せず、苦しむご夫婦を見ながら悔しい思いをしたことがありました。たった1回、性交が復活するだけで夫婦関係は劇的に変わります。心因性EDは、EDに至るプロセスに注目することで解決法が見えてきます。
実際、性交できないことで激怒した奥様に「ベランダに放り出された…」とぼやきながら来院したある患者さんは、ED治療薬で性交がうまくいった翌朝「こんなに優しかったのか、わが妻は」というほどの変化を目の当たりにしたそうです。

ただ、ED治療薬は「服薬指導」がセットでこそ効果があるものだと考えています。「1時間前に服薬…」というくらいの説明ではかえって「飲んだのにうまくいかなかった…」と、男女ともにショックを与え、EDをさらに進行させてしまう恐れがあるからです。

服薬指導といっても特別なことではありません。患者さんのライフスタイルをしっかりヒアリングし、服用タイミングや状況を具体的に打ち合わせることが重要なのです。たとえば、職場から自宅まで何十分かかるのか、帰宅後は就寝までにどれくらいの時間をかけているのかなどをお聞きしながら「では、会社を出る直前に服用しましょう」「自宅のチャイムを押す直前に」などと打ち合わせておくのです。脂っこいものが好きな方だと分かれば、当日の食事内容や服用タイミングも変わります。

やはり「心の安心感」が心因性EDを直すカギを握っており「服用に対する安心感」が効果にも影響を与えます。生活習慣病を治療されている、かかりつけ医の先生方なら、基礎疾患の治療とともに食事・生活習慣の指導もされていらっしゃることでしょう。服用に備えた細やかな指導が必ず良い効果に結びつきます。EDは本人だけでなく、その人の生活にかかわる周囲の人にも大きく影響する症状です、だからこそEDの改善はその人も周囲の人も幸せにできるのでしょう。ED治療は生活習慣全体の治療と考えていただき、ぜひ、かかりつ医の先生方にも取り組んでいただきたい診療です。

患者さまへのアプローチポイント
あえて一般の患者さんと区別しないことが、「EDは他の症状と同じ」という安心感に。
心因性EDはちょっとした心の不安や後ろ向き感が、症状に追い打ちをかけます。「EDは恥ずかしい」と思うこともそのひとつです。
スタッフには「他の症状の患者さんとできるだけ同様に扱うこと」を重点的に教育しています。問診票を書く場所も、他の症状の患者さんと同じ場所です。
問診票は、原因発見の大切な入り口。ED用の問診票もつくり、情報を集める。
問診票で「ED診療希望」に印をつけた患者さんにはさらに、独自に作成したED用問診票も書いてもらっています。
マスターベーションの可否や回数、パートナーとの性交渉の頻度、パートナーに内緒の来院か…など、患者さんの状況を知ることで、EDのタイプや服薬指導の概要を事前に推定することができ、スムーズな診療を可能にしています。
服用に対する安心感も、治療の効果へ。
服薬指導は、患者をよく知る院長が直接アドバイス。
治療薬服用の成否が心因性EDの連鎖を断ち切るため、服用の成果を最大限にすることに注力しています。
診療でヒアリングした患者さんのタイプやライフスタイルをもとに、自分の手で薬を手渡します。 その際に、「いつ飲むべきか」「1回目はマスターベーションで予行演習を」など、細かなアドバイスを行うことで、患者の安心感を高めています。

ページ上部へ戻る