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EDについて

偽造ED医薬品四社合同調査

ファイザー株式会社、バイエル薬品株式会社、日本イーライリリー株式会社、日本新薬株式会社

2008年8月−2009年4月調査

現状
  • 現在までに、日本を含む世界約60ヵ国で偽造バイアグラが発見されており、レビトラ、シアリスも同様に偽造医薬品が流通してい る。
  • 偽造医薬品は、主にインターネット等の非正規ルートを通じ、多く流通しているが、その正確な実態はわかっていない。
  • 偽造医薬品は専門家でも判別が難しい精巧なものがあり、製造現場は、不衛生で、その成分には不純物が含まれている場合があり、死亡例を含む、健康被害を招くケースも発生している。
  • 短期的には問題がなくても、長期服用によりどのような影響があるのかなど、未知の健康被害の可能性もあり、未解決の問題が多く存在する。
有害事象事例(偽造シアリス)
- 海外事例(シンガポール/2008年2〜5月) -

シアリスの偽造品やその他の漢方薬(いわゆる精力剤)3種を服用した患者で、低血糖による昏睡などの重篤な有害事象が発生した。5月現在、確認患者数40人、疑いのある患者87人。うち4人死亡(そのうち2人がシアリスの偽造品による死亡)。原因は、シアリスの偽造品(50mg錠)の場合、錠剤に血糖降下剤グリベンクラミドを43mg含有していたため、低血糖を発現した。(なお、シアリスの真正品には、5mg, 10mg, 20mgの各錠剤しか存在しない。又、グリベンクラミドの日本において承認されている一日最高服用量は10mg)

参考資料:
(http://www.hsa.gov.sg/publish/etc/medialib/hsa_library/corporate/pr20072009.Par.15039.File.tmp/MediaRelease-HSAUpdatesOnFatalities&ADRAssociatedWithTheUseOfHarmfulIllegalHealthPdts-16May2008.pdf )
(http://www.hsa.gov.sg/publish/etc/medialib/hsa_library/corporate/pr20072009.Par.42755.File.tmp/PressRelease-HSAAlertsOnWiderSpreadOfHarmfulIllegalHealthProducts-11Apr2008.pdf )

調査の目的
- 背景 -

これまで各社が偽造医薬品の輸入差し止めや警察からの偽造医薬品販売業者摘発に協力してきたが、国内に持ち込まれる偽造医薬品実態は不明であり、インターネットなどでの購入者が偽造品と疑い、真偽を 確かめるため、医療機関に持ち込むケースも散見されてきた。

医薬品適正使用と患者の健康被害の観点から、インターネットによりどのくらいの割合で、偽造品が国内に持ち込まれているのかを把握する。

調査方法
日本とタイの調査会社※に依頼し、以下の調査を実施。
各社が各ブランドの真偽を鑑定し、含有成分について化学分析を行った。

バイアグラ、レビトラ、シアリスを販売しているインターネットサイトから、1サイトから・各ブランド1サンプル(合計3サンプル)ずつ、合計各ブランド60サンプルを目標に購入。

  • 日本の調査会社:2008年12月〜2009年4月にかけて、個人輸入を装い、各ブランド30サンプルずつ
  • タイの調査会社:2008年8月〜12月にかけて、タイ在住の日本人ビジネスマンによる個人輸入を装い、タイへ発送可能な各ブランド30サンプルずつ
インターネット総合調査結果
インターネット総合調査結果
調査国別結果
調査国別結果
今回入手した偽造品の一部と真正品
今回入手した偽造品の一部と真正品
偽造バイアグラの成分

偽造バイアグラの中には、約50%多く有効成分を含んでいるものや、約40%も有効成分が少ないものが含まれていた。 承認用量の1.5倍も含まれている場合、予期せぬ副作用が引き起こされる可能性がある。 承認用量の6割しか含まれていないものは、期待する効果が得られず、服用者が精神的なダメージを受けることも考えられる。

偽造レビトラの成分

偽造レビトラの中には、レビトラの成分を含んだものはなかった。
有効成分をまったく含まないもの、バイアグラやシアリスの成分を検出するものもみられた。
有効成分をまったく含まないものは期待する効果は得られず、服用した患者に精神的なダメージを与え、治療どころか服用によって症状が悪化するなど悪影響も考えられる。

偽造シアリスの成分

シアリスの偽造品36サンプルのうち、適宜抽出した11サンプルにつき、成分鑑定のため化学分析を行なった(質的分析であり量的分析は未実施)。
全く同じ成分を含むものは無く、エフェドリンの含有、不明な物質を含有など、偽造品の成分や品質には大きく差があることが判明した。また、シアリスの偽造品でありながら、シアリスの有効成分を全く含まず、有効成分としては、バイアグラの有効成分のみを含有するものもあった。(詳細は以下参照)。

  • TとSの両方を含有するもの:2サンプル [20mg錠]
  • TとSの類似体又は異性体の両方を含有するもの:2サンプル [50mg錠、20mg錠]
  • T及びSの両方(それらの類似体又は異性体を含む)を含有し、かつそれら以外の不明な物質を含有するもの・1サンプル[20mg錠]
  • T及びSの類似体又は異性体の両方に加えて、クエン酸塩を含有するもの:1サンプル[50mg錠]
  • T及びSの類似体又は異性体の両方に加えて、クエン酸塩を含有し、かつ、それら以外の不明な物質を含有するもの:1サンプル[50mg錠]
  • Tとそのジアステレオマーと、S(類似体又は異性体を含む)を含有するもの:2サンプル[20mg錠]
  • Tは一切含まず、Sとその類似体又は異性体を含有し、かつ、エフェドリンと10種以上の不明物質を含有するもの:1サンプル[50mg錠]
  • Tは一切含まず、Sの類似体又は異性体と、クエン酸塩と、不明な物質を含有するもの:1サンプル[50mg錠]
結果・考察

インターネット流通の55.4%(日本:43.6%、タイ:67.8%)が偽造品であった。
偽造品の品質にはばらつきがみられ、成分の含有量が承認用量より多い・少ないだけではなく、全く含有していないもの、他の成分、複数の不純物が含まれるものがあった。
今回の調査により、偽造品の流通実態が改めて明らかになり、こうした背景により患者が被害を被っている現状を踏まえると、違法な製造・輸入業者などの取り締まりの強化や偽造品撲滅活動等を通じた、早急な対策が必要であることが示唆された。

偽造バイアグラの製造現場(中国)

1)偽造バイアグラの製造現場は、この事例のように不衛生であり、また流通経路での品質管理にも問題があります。
・適当なポリ袋などにバラで入って送られてきます。
・偽造バイアグラの錠剤は、品質管理されていない場所(アパートの一室等)でボトルに詰められています。
2)米国の住所から送られてくるバイアグラが本物だとは言い切れません。
・偽造バイアグラは、米国経由で日本に輸入される事例も確認されています。

偽造バイアグラの製造現場(中国)
偽造レビトラの製造現場(海外)

1)偽造レビトラの製造現場は、この事例のように不衛生であり、また流通経路での品質管理にも問題があります。
・適当なポリ袋などにバラで入って送られてきます。
2)米国の住所から送られてくるレビトラが本物だとは言い切れません。

偽造レビトラの製造現場(海外)
偽造シアリスの製造現場(中国)

1)偽造シアリスの製造現場も、この事例のように不衛生であり、また流通経路での品質管理にも問題があります。
2)偽造シアリス工場ではメチルアンフェタミン(覚醒剤)製剤も密造されており、それが混入する恐れもありました。
3)シアリスも米国の住所から送られてくるから本物だとは言い切れません。

偽造シアリスの製造現場(中国)
偽造医薬品

真正品に極めて類似した色・形状をしたものがあり、真正品と直接比較しなければ、偽造品と判別するのが困難な場合がある。
インターネット上では、偽造品であっても、本物である、または、海外で製造されたジェネリック医薬品(後発医薬品)であると欺いて販売されているので、警戒が必要である。

偽造医薬品
偽造品のルート
偽造品のルート

サーバー所在国/製品発送国が日本や米国の場合でも、偽造品が含まれていることから、これらを指標にインターネットで購入しても安心できない実態があきらかになった。

インターネット販売の実態

サーバーの所在国と製品発送国は、必ずしも一致しない。
サーバの所在国、製品発送国、支払い国から真正品と偽造品を見分けることはできない。

日本での購入の場合

偽造品
サーバー所在国 発送国 支払い国
オーストラリア 日本 日本
タイ 日本
中国 中国 日本
日本 香港 日本
アメリカ合衆国 日本
日本 日本
アメリカ合衆国 中国 日本
カンボジア 日本
日本 日本
フィリピン 日本
真正品
サーバー所在国 発送国 支払い国
オーストラリア 香港 日本
日本 香港 日本
アメリカ合衆国 日本
日本 日本
アメリカ合衆国 中国 日本
アメリカ合衆国 日本
日本 日本
スペイン 日本

タイでの購入の場合

偽造品
サーバー所在国 発送国 支払い国
カンボジア カンボジア 日本
フランス フランス
イタリア イタリア 日本
タイ タイ タイ
中国 中国 日本
中国 中国
アメリカ合衆国 中国 日本
日本 日本
アメリカ合衆国 日本
日本 中国 日本
日本 日本
真正品
サーバー所在国 発送国 支払い国
アメリカ合衆国 中国 日本
日本 日本
日本 中国 日本
日本 日本
まとめ
  • 医薬品適正使用と患者の健康被害の観点から、インターネットにより国内に持ち込まれている偽造品の割合を調査した。
  • 今回の調査で、国内外のインターネットで流通している55.4%が偽造医薬品であった。
  • 偽造医薬品の中には、有効成分の含有量が表示と異なるもの、有効成分を含まないものが見られ、健康被害の実態は明らかではないものの品質の保証はできなかった。
  • 真正品と偽造品を外観上で見分けることは困難であった。
  • 偽造品の流入ルートもさまざまであり、サーバーの所在地、送付先などにより真正品と偽造品を見極めることは困難であった。
  • 今回の調査でインターネット個人輸入により、偽造医薬品を国内に流入している実態が明らかになった。
  • 個々に輸入した医薬品が安心して服用できるものかどうか見分けることは極めて困難であり、健康被害を受ける可能性が否定できないことから、広く注意喚起が必要と思われた。